Q. JIS-8341 は守らないといけないのでしょうか?
https://scrapbox.io/files/6213923b3b8d92001d41f592.png
A 守らなくてもアクセシブルにすることはできます👍
JIS X 8341-3:2016 には、 A、AA、AAA と3段階の達成基準があります。確かにしっかりとした規格なので、もし AAA に達成できたらそれはすごいことです。素晴らしいです。国際的な規格の WCAG 2.0 や ISO/IEC 40500:2012 とも同等の水準でなので、世界的にも信頼されるウェブサイトと言えるようになるでしょう。
ただそのためには HTML のマークアップだけでなく、デザイン・編集それにそもそもの企画から検討し直さなくてはいけなくなることもあるほど、インパクトの大きな対応が必要になります。すでに公開済みの大きなサイトで、あとから AAA を目指すのはかなりの困難が予想されます。
全て達成できればアクセシブルなサイトであることは間違いないですが、
誰にとっても使いやすいか?
そもそもかっこよいか?
サイトのコンテンツや世界観とあっているか?
といったこととは、また別の話です。デザイン性を損なわずに達成を目指すことは不可能ではないですが困難です。
闇雲に達成を目指すよりも、自分たちのサイトが「誰にとって」「どうアクセシブルであるべきか」をチーム内で議論できるとよいでしょう。
THEATRE for ALL の例
たとえば、 THEATRE for ALL は、アクセシビリティに配慮した多様なコンテンツを提供するウェブサイトですが、 JIS-8341 の達成については特に触れていないようにみえます (2022/03/12 時点)。 一方で、多様な障害当事者の方とともにつくる共創の姿勢を強調しています。 https://scrapbox.io/files/622bf8e6d96b1d001dbc43d9.png
このようなやり方でも、多様なユーザの方に使いやすく安心感を与えるサイトを目指すことはできると考えます。
ちなみに、ADA コンプライアンス(米国)
アメリカには障害を持つアメリカ人法(ADA)という法律があり、公益のための活動をしている団体や中規模以上の企業では、一定のアクセシビリティ水準に準拠したウェブサイトが求められます。
法律で規定されているという点では、日本よりも厳しい設定になっていうると言えるでしょう。